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アトピー性皮膚炎の治療(アポキル)
公開日:2016年07月05日 最新情報
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アポキル錠(オクラシチニブマレイン酸塩)が発売されました。
当院でもさっそく入荷しました。

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オクラシチニブマレイン酸塩は海外ではすでに使用されとても評判の良い薬です。
掻痒誘発性サイトカインIL-31などのヤヌスキナーゼ阻害薬です。
2013年に犬の皮膚のかゆみの重要な仲介者としてIL-31が見つかりました。
IL-31は犬のアトピー性皮膚炎における痒みのサイトカインであると考えられ、これらを抑えることにより痒み刺激と炎症反応を軽減するわけです。

 
アトピ性皮膚炎の従来の治療では主に以下のような薬が使用されてきました。

・経口ステロイド剤:即効性・高効果・低価格・副作用が強い

・経口シクロスポリン剤:効果発現に時間がかかる・高効果・高価格・高い安全性

・抗ヒスタミン剤:低効果・高い安全性

・精神安定剤:低効果

・サプリメント:必須脂肪酸・ビタミンなどの補充・効果発現に時間がかかる・低い有効性・高価格・高い安全性

・外用ステロイド剤:即効性・高効果・局所の適用に限局・ステロイド皮膚症に代表される局所副作用

・インターフェロン製剤:効果発現に時間がかかる・効果には個体差あり・投与が煩雑で高価格・高い安全性

・減感作:効果発現に時間がかかる・効果には個体差あり・投与が煩雑で高価格・高い安全性

体質改善にはインターフェロン療法・減感作療法を行い、痒みに対するお薬はステロイド・シクロスポリン・抗ヒスタミン・精神安定剤・サプリメントでした。
薬には一長一短あり、効果を実感できる薬は少ないのが現状でした。

 

アポキルの特徴
①ステロイドと同等の効果・即効性
②アトピー性皮膚炎・それ以外のアレルギー性皮膚炎にもに高い効果
③副作用が少ない
④他の薬との併用による安全性も高い

ざっくりとこの薬の特徴をお話しすると
アトピー性皮膚炎の治療で今まで大きな問題であったステロイドの副作用をなくし、高効果・即効性ありといい所どりの薬です。
アポキル錠は1年という長期投与の認可がとれています。(海外では1年という期間の限定はされていませんので今後は日本でも期間は限定されなくなると思います)

今後アトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎の治療が劇的に変わっていくと思われます。

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